2014年10月26日日曜日

文化祭連戦 初戦

10/25 ◇国際基督教大学グラウンド 対東京海洋大学

海洋 000 102 100 | 4
ICU  100 000 101 | 3

<試合総括>

文京学院大の棄権、帝京科学大学2戦目の没収試合により7勝1敗で迎えた第九戦目。
勝てば自力優勝の可能性もあった試合であったが、惜しくもあと1点が届かなかった。
先発した四年生投手の熊谷は5回1失点の好投を見せるも、打線の援護がなく勝敗はつかなかった。


付け込む隙がなかった。前半戦、ICUの快進撃を支えたのは相手チームの失策や判断ミスに付け込むしたたかさだった。好機を逃さずビッグイニングを作る。ICU連勝の秘訣はここにあった。

しかしながら、それは同時に、相手が付け入る隙を見せなければ得点できないという事実の裏返しでもあった。事実後半戦からは目に見えて相手チームの失策が減り、それに歩調を合わせるかのようにICUの得点も減っていった。

「もっと機動力を使って相手のミスを誘わなければ」と、この日の試合を見守っていた一人の観客は言う。「足で試合を掻き混ぜないと、相手はミスをしてくれない」


また同日に行われた第二試合の結果により、2014年度秋季リーグの優勝は東京理科大に決定した。

2014年10月15日水曜日

首位攻防戦 

10/12 ◇国際基督教大学グラウンド 対東京理科大学

理科 030 030 202 | 10
ICU  002 000 000 | 2

<試合総括>

ICU対東京理科大2戦目は、序盤から理科大優勢の試合展開となった。ICUは3点差の三回に2点を返すもののその後も開く点差を埋めきれなかった。


同率首位で迎えた攻防戦。しかし理科大の投手陣の前に散発3安打と手も足もでなかった。
「実力の差を見せつけられた」と語るのはキャプテンの日比。初戦では相手の拙守にも助けられ圧勝することができたが、バッテリーミスを克服した理科大は行く手を阻む大きな壁となった。

ICUに突きつけられた課題は「基礎強化」だろう。この試合でICUは6つの失策をしている。初戦の理科大がそうであったように拙守は負けを呼び込む元凶である。残り2試合。勝って8勝2敗とできれば、まだ優勝への望みは残っている。


2014年10月7日火曜日

熊谷5回無失点好投も報われず ICU初黒星

10/4 ◇国際基督教大学グラウンド 対帝京科学大学

帝科 000 001 006 | 7
ICU  202 000 000 | 4

<試合総括>

秋季リーグ後半戦一戦目、対帝京科学大学との試合は3点リードの最終回に帝科大に6点を奪われ逆転負けを喫した。

先発した熊谷は5回無失点の好投をみせた。

2014年9月28日日曜日

エース1安打完封&ルーキー鮮烈デビューで5連勝!!

9/27 ◇国際基督教大学グラウンド 対東京海洋大学

ICU  005 200 0 | 7
海洋 000 000 0 | 0  (規定により7回コールド)

<試合総括>

秋季リーグ折り返しのICU対海洋の一戦は、一時間半という短期決戦の末にICUのシャットアウト勝ちで幕を閉じた。
ICUは3回、熊谷のタイムリースリーベースからの猛攻で一挙5得点。その後2点を追加し、コールド勝ちを収めた。


投打の立役者がそれぞれに試合を盛り立てた。

打っては3回、初出場のルーキー・宮沢の5球目。鋭く振り抜いて打球をワンバウンドでスタンドに突き刺した。
記念すべき初打席をエンタイトルツーベースで飾った。

ほぼ一年ぶりの試合で緊張していたという宮沢。しかし打席では積極的に振ろうと決めていた。
「(打席に入ったら)思った以上に相手投手の球筋が見えたので、リラックスできた。後はストライクを迷わず振りにいった。久々のヒットで嬉しかった」
好球必打のバッティングがICUの大量得点を呼び込んだ。


投げてはエースの吉田がまたも相手大学のまえに立ちはだかった。自慢の速球と落差の大きいカーブの前に海洋打線は為す術もなく沈黙した。

7回を一安打無失点に抑えながらも、しかしエースの表情はパッとしない。
「勝てたのは嬉しいが、今日は調子がでなかった。三振を狙いにいったがあまり取れなかった」と悔しがる吉田。次の試合にはちゃんと調整します、とコメントを残し球場を後にした。



これでICUは開幕から5連勝。昨シーズンまでの「負け癖」は微塵も感じられない。日々のエースの好投、そして新加入の宮沢の破壊力は必ずやICUを優勝へと導く原動力となるだろう。

悲願の優勝、そしてリーグ昇格というのは、もはや遠くの夢ではなくなった。願いの実現のため、今週末から始まる後半戦も気を引き締めて戦っていきたい。

2014年9月24日水曜日

優勝を手繰り寄せる4勝目! 四年生投手熊谷、復活のマウンドへ

9/21 ◇国際基督教大学グラウンド 対文京学院大学

文京 102 001 004 | 8
ICU  160 030 00x | 10

<試合総括>


ICU対文京一回戦は、壮絶な点の取り合いになった。ICUは2回に打者一巡の猛攻で獲得した大量リードに救われた。柚原は3安打猛打賞。



悲願の優勝のために、マウンドに帰ってきた。
この日先発のマウンドに上がったのは四年生投手の熊谷。ICU現役部員の中では唯一三部リーグでの試合を経験したことがある選手だ。

「(自分の)最後のシーズンで必ず優勝したいという気持ちがある」

この秋季リーグに懸ける想いは誰よりも強い。このところ内野手としての出場が多かった中、連戦ということもあり後輩エースを休ませるためにマウンドに戻った。

熊谷の投球の真骨頂である「打たせて取る」スタイルは今もなお健在だ。「チームが連勝していて、初回は緊張した」と語る熊谷だったが、要所を締めるピッチングで四回を投げ自責点は1。試合の流れを作り、後続にマウンドを託した。

「後輩エースの負担軽減と勝利に貢献できてよかった」
ICU4勝目の立役者となった熊谷。優勝のため、昇格のため、持てる力のすべてをかけて残りの試合に臨む。

2014年9月21日日曜日

ICUまたも連勝。 今季3勝目。

9/20  ◇国際基督教大学グラウンド 対東京工科大学

工科 020 201 000 | 5
ICU  700 010 11x | 10

<試合総括>


ICU対工科大一回戦は、工科大の追い上げを振り切ったICUが試合を制した。
ICUは開幕3連勝。柚原、吉田の2投手のリレーで逃げ切った。


俊足の足技を絶妙な送球が封じた。

3点差まで追い上げられた5回の表、工科大の攻撃。俊足の前原が四球で出塁した。
本塁打などで勢いづいていた工科大。前原が生還すれば、流れを手放しかねないピンチにICUは陥った。

予想通り、前原は自慢の快速を飛ばしてきた。チャンス拡大のために二塁へ...
しかし捕手・松村の送球が行く手を阻んだ。
「走られてたら危なかった。刺殺できて本当によかった」

相手の攻撃の芽を摘んだことで逆にICU打線は奮起。その後も着実に得点を重ね5点差をつけての勝利となった。


これでICUは3連勝と開幕から波に乗る。連戦となる21日の試合も勝ってリーグ制覇への足掛かりとしたい。

2014年9月19日金曜日

ICU開幕2連勝

9/13  ◇国際基督教大学グラウンド 対東京理科大学

ICU  313 210 010 | 11
理科 010 210 100 | 5

<試合総括>

ICU対理科大一回戦は序盤に大量リードを得たICUが競り勝った。
先発の吉田はこの試合もクオリティスタートを記録。初の完投勝利となった。
打っては柚原がマルチ安打を記録した。



3時間を超えようかという冗長的な試合だった。
理科大投手陣の制球が定まらず、9回を通して与えられた四死球は19(うち死球は6つ)を数えた。

試合開始後1時間30分を経過してもなお3回表の攻撃中。両チームから「締まり」が消えて行った。相手の崩壊に付け込み11得点を得られたのはICUにとって大きな成果だったが、こちらも失策から失点してしまったのでは引き締まった試合はできない。大量得点しながらもコールド勝ちに至らなかったのは、自らの「気の緩み」もあったのではなかろうか。相手が招いた惨状に流されず、締まった試合を心掛けねばなるまい。

しかしながら、開幕2連勝を飾れたのは、ICUにとって幸先のよいスタートになったはずだ。
次の試合は土曜日と日曜日の連戦。両日ともものにすることが出来れば、秋季大会折り返しへむけ大きな弾みとなる。

4シーズンぶりの再昇格へ。浮彫りになった課題を克服し、日々前進あるのみである。

2014年9月13日土曜日

ICUの「二刀流男」吉田、投打の活躍で白星発進

9/7  ◇国際基督教大学グラウンド 対帝京科学大学

ICU  013 136 2 | 16
帝科 020 001 4 | 7 (規定により7回コールド)

<試合総括>


2014年度秋季リーグ初戦。ICUは帝京科学大学を相手に16得点を挙げ、コールド勝ち。
二年生主体の新生チームが初戦を白星で飾った。


QS(クオリティスタート)という指標がある。先発投手が6回以上を投げ自責点が3点以下であることを指すこの指標を達成できれば勝ち星が多くなると言われている。

この日マウンドに上がった新エースの吉田も6回を投げて自責は2。見事勝ち星を手に入れた。

夏休みを利用して体幹を鍛え抜いたという吉田。マウンドでの体制が安定し、昨シーズン見られた直球の上ずりもなくなった。奪った三振の数も7つと、1イニングに一人はバットに空を切らせている。今季、あきらかに直球の威力が増している。

「鍛えた甲斐がありました。こうして結果に出ると嬉しい。」

また打撃でも5打数3安打2打点と自らを援護。投打にわたる活躍がICUの新たな原動力となる。


今シーズンから自分たちの学年が部を牽引する。そのエースとして吉田はマウンドを守る。

「誰が相手だろうと自分の投球をするまで。絶対に勝つ。」

悲願のリーグ優勝にむけて、気合は充分だ。



2014年8月29日金曜日

秋季オープン戦 2戦目

8/21  ◇富岡市民球場 対群馬パース大学

パース 120 041 240┃14
I C U 100 102 301┃8  

<試合総括>

群馬県の富岡市民球場で行われた秋季オープン戦2戦目。ICUはチーム二桁安打を放つも要所で打線が繋がらず、パース大学に競り負けた。打っては2年の柚原と1年の松井が猛打賞を記録し、投げては4年の熊谷が最終回1イニングを無失点に抑える好投をみせた。


夏は実りの季節。例年若手の選手がその存在感を現し始める時期だが、今年も期待の新人がポジション奪取に向けて名乗りをあげている。

「試行錯誤の打撃練習がはまった感じ。ちゃんと球を捉えられている。」
そう話すのは今年入部した1年生外野手の松井聖(まつい・しょう)だ。入部当初から打撃力を買われ、1年生ながらも春シーズンに出場する機会が与えられていた。

この日の試合でも5打数.3安打3打点と大当たり。放った3本のヒットのうち2本が長打であった。

「自分はパワーで、というよりも脚で次の塁を陥れるタイプですね。」松井はこう自身を分析する。
「足技が決まればチームの雰囲気も良くなるし、相手の守備も腐るし。暴走さえしなければ一石二鳥です。」この日の第三打席も、相手の本塁返球の隙に三塁を陥れる好走塁をみせた。

場面に応じて、いつでも次塁を狙っているという松井は秋季リーグ戦での活躍を誓う。
「守備をもっと磨かないとだめですね。エラーするとチームの雰囲気も悪くなりますし。」

常にチームの事を考えたプレーを心掛ける若武者の成長に期待がかかる。







2014年8月14日木曜日

秋季オープン戦 初戦  

8/12  ◇東京農工大学グラウンド 対東京農工大学

I C U 301 010 000┃5
農 工  000 300 30X┃6


<試合総括>

秋季リーグに向けたオープン戦(練習試合)第一戦、ICUは僅差で勝利を逃した。初回に熊谷の適時二塁打などで3点を先制するも、終盤の7回に逆転をゆるしてしまった。



初めてのマウンドは、アドレナリンの味がした。
この試合がデビュー戦となった1年生投手の大橋は、自分の初マウンドをこう振り返る。
「気持ちの高ぶりを感じました。緊張、ではなくエネルギーが滾ってくる、みたいな」

1点ビハインドの8回から登板。四球とパスボールで二死二塁のピンチを招くも、無失点で切り抜けた。
「(農工大は)受験に落ちた大学なんで、野球でも負けるわけにはいかなかった。ここで失点できない、というか絶対に抑えてやる、って思いながら腕を振りました。」


投手層の薄いICUにとって、大橋は必要不可欠な存在だ。制球に磨きがかかれば、実践で大きな戦力になることは間違いない。
「これからも、もっと活躍したい。大橋が投げれば大丈夫、ってチームが思うような投手になろうと思います。」

貪欲に出場機会を求める若武者の目には、マウンドで躍動する自分の姿がはっきりと写っている。



2014年6月3日火曜日

春季リーグ最終戦

5/31  ◇国際基督教大学グラウンド 対東京海洋大学

I C U 104 002 06┃ 13
海 洋  000 111 1X┃ 4 (規定により8回コールド)


<試合総括>

2014年度春季リーグ最終戦。ICUは東京海洋大に9点差をつけての勝利となった。これで今季の勝率を五割に戻し、リーグ4位でシーズンを終えることとなった。

投げては藤原、柚原、吉田の三投手のリレーで海洋打線を三安打に封じ込めた。また3年の三宅と2年の日比がそれぞれ初安打を記録し、この試合が引退試合となった4年の野上が本塁打を含む3安打で猛打賞を達成した。



快音とともに飛翔した打球は、悠々と左中間を切り裂き、レフトスタンドへと突き刺さった。

8回の表、自身の大学野球最終打席。鋭く振り抜いた三球目を見事スリーランにしてみせた。
「自分に(打席を)繋いでくれた後輩たちの頑張りを無駄にしたくなかった。塁上の彼らを還してあげよう、ってその一心でした」

試合の流れは、決して良いわけではなかった。序盤に五点のリードを作るも7回までに三点差まで追い上げられる展開。戦局は、海洋大に傾きかけていた。

しかし、4年間ICUの中軸として打線を牽引してきた男は、試合の流れを渡さない覚悟と技量を兼ね備えていた。

「これで最後になるかも、というのはネクスト(バッターズ・サークル)にいる時から思っていた。だからこそ、最高の形で、両親をはじめ4年間応援してくれた人みんなに感謝を伝えられてよかったと思う。」
ダイヤモンドを一周してきた野上は満面の笑みでこう話してくれた。
「最高のチームで、最高の仲間たちと野球ができたことを誇りに思います。引退試合もみんなで勝てて、後輩たちの初安打も見れて、今日は幸せで胸がいっぱいです」

常にチームのこと、チームメイトのことを考え、他者への「感謝」を第一に戦ってきた野上。そのプレーは観る者全員に興奮と感動を与えた。それはただ彼の野球技術が高いからだけでなく、彼の人となりが一つ一つのプレーに顕れていたからだろう。

チームとして野上が引退することは非常に惜しまれるが、彼が4年間で後輩たちに残していった「人としての、選手としての在り方」というお手本は、これからチームを牽引する若者たちの心にしっかりと残っただろう。それは一人の人として、そして野球選手として彼らが成長する上で必要不可欠な鍵となるはずだ。

野上大という一人の男が残した足跡は、風化し消えることなく、しっかりとICU野球部の歴史に刻まれた。





2014年5月27日火曜日

ICU自滅...今季勝ち越しに手は届かず

5/25  ◇国際基督教大学グラウンド 対電気通信大学

電 通  102 002 000┃5
I C U 000 000 100┃1 

<試合総括>

春季リーグ九戦目、対電通大二回戦は、ICU先発・藤原の立ち上がりを攻め立てた電通大がそのリードを守り切った。ICUは手痛い5敗目を喫し、今季勝ち越しを逃してしまった。

ICU打線は好機こそ作るものの後が続かず、7回に一点を返すのがやっとだった。



「電通に一敗をつけてやろう」

そう意気込んで臨んだ試合だった。今季無敗で首位を独走する電通大。強力打線に快速投手を誇るチームが相手だけに苦戦を強いられるのは覚悟の上だった。

しかし、ICUの前に立ちはだかったのは「強豪校」という巨人ではなく、「拙攻・拙守」という大きな落とし穴だった。

この試合でICUが電通に献上した五点のうち、初回と3回の合計三失点は投手の乱調によるもの。いずれの回も、被安打はないのに連続四球からの暴投で失点してしまった。打線も得点圏のチャンスが六回もあったにも関わらず、7回の藤原の適時打以外走者を還すことができなかった。

「自滅」は幾度となくICUが経験した苦い負け方だ。目一杯ぶつかって砕け散ったのならば、相手の強さを称えればよい。しかし自分の首を自分で絞めていては先に進めない。残る試合はあと一つ。今シーズンの勝率を五割で終わらせるためにも、次の試合は持てる力すべてで相手と対峙しなければならないだろう。

2014年5月20日火曜日

対工科大。「魔の8回」の行方は...

5/18  ◇東京海洋大学グラウンド 対東京工科大学
工 科  000 000 02┃2
I C U 000 011 07┃9 (連盟規定により8回コールド)

<試合総括>

ICU対工科大2回戦は、2点リードを覆された直後の8回ウラ、ICUが一挙7得点を挙げてコールド勝ちした。先発した藤原は7回1/3を投げて被安打3、失点1の好投。打っては正木が猛打賞を記録した。


野球にジンクスがあるとすれば、ICUにとって「海洋大学グラウンド、対東京工科大」というのは、最悪の組み合わせだった。2013年度秋シーズンのICU-工科一回戦。ICUが14-4と大幅にリードしていたが、8回に工科の猛追を振り切れず、14-14の引き分け試合となった。この引き分けを境にICUの連勝が止まってしまった。「海洋大学グラウンド、対東京工科大」は、そんな苦い思い出が残るカードだった。

しかし、ICUの面々はこのカードを「ジンクス」とは考えず、むしろ「雪辱の好機」と考えていた。何としてでも借りを返す。その意気込みがICUの追い風になった。

この試合も、ICUのリードが8回に返されるという前カードの嫌な思い出を彷彿させる展開となった。追撃され、失速するかと思われたが、今回のICUは一歩も譲らなかった。

四本の安打に五つの四球。それに犠牲フライも相俟ってこの試合の「魔の8回」はICUのものとなった。流れを完全に掌握したICUは、最後に押し出しサヨナラフォアボールを誘い込み、見事に雪辱を果たすに至った。

このカードを取ったことで今シーズンの勝率を五割に戻すことができたICU。春季リーグも残すところ二試合となったが、是が非でも、シーズンを勝ち越して終わりたい。

2014年5月13日火曜日

100の言葉に「まさる」感謝の一打

5/11  ◇東京海洋大学グラウンド 対帝京科学大学

I C U 100 100 150┃8
帝 科  210 001 012┃7


<試合総括>

ICU対帝科大の二回戦は、二死満塁から最後の一点を守り抜いたICUが熱戦を制した。打ってはこの試合からリードオフマンを任された野上が猛打賞を、藤原、柚原、伏屋の三選手がマルチ安打を記録した。


「いつも応援してくれている母に、自分が活躍している姿を見せてあげたい」
母の日の試合ともあって、この日の野上はいつも以上に張り切っていた。大学生として臨む最後のシーズン。これまでずっと応援に来てくれていた母親への感謝の気持ちが、湿り気味だった野上のバットに火をつけた。

初回に三塁打、七回に二塁打、八回に単打。好球必打のバッティングが冴えていた。

「初回の三塁打を打った後に負傷して、その後の回は思うように体が動かなかった。でも、とにかく自分の仕事をやり切りたかった。自分を信頼してくれてるチームのために。そして何より、母のために」

満身創痍で試合を終えた野上は、しかし笑顔でこう語った。
「(この試合は)チームが信頼してくれていることや母の応援に対して、本当に感謝の気持ちで胸がいっぱいだった。自分のプレーでそれが伝わっていたら嬉しいです」

多くの言葉を並べるよりも、自分のプレーで感謝を伝える。野上の心からのメッセージは、チームメイトに、そして、最愛の母に、しっかりと伝わったはずだ。

2014年5月4日日曜日

これぞエースの投球! ICU藤原、今季初の完投勝利

5/4  ◇国際基督教大学グラウンド 対文京学院大学

I C U 040 000 000┃ 4
文 京  000 000 200┃ 2


<試合総括>

春季リーグ第六戦目、ICU対文京学院の二回戦は、ICUのエース・藤原の粘りの投球が文京学院打線を凌駕し、ICUに2勝目をもたらした。打っては柚原が5打数3安打の猛打賞、熊谷と吉田がそれぞれマルチ安打を記録した。



不調続きだったエースが、本来の姿を取り戻しつつある。 9回を自責点なしの完投勝利。
「いつも通り。当たり前のことをしたまで」と自身の投球内容をふり返る藤原だったが、スコアブックのデータは彼の変化をしっかりと物語っていた。

ボールカウント3-0からでも、簡単に四球を与えず5回まで無四球完封ペース。得点圏に走者を背負っても後続を断ち切ること四回。今までの藤原ならばテンポを崩し大荒れするような場面でも、今日は文京打線に少しも付け入る隙を与えなかった。


「初戦の雪辱がしたい」と志願当番したこの試合。一回戦目で序盤に6四死球を与え、わずか2回で降板しなければならなかった相手へのリベンジはしっかりと果たされた。

春季リーグも残すところ4試合。ICUのエースとして、勝ち星を一つでも多く積み重ねたい。

ICU連敗阻止ならず 9失策などで自滅

5/3  ◇国際基督教大学グラウンド 対東京海洋大学

海 洋  010 024 1┃8
I C U 000 000 0┃0 (連盟規定により7回コールド)

<試合総括>

春季リーグの折り返し地点となる5試合目、ICU対海洋大の1回戦は、ICUの苦いコールド負けで幕を閉じた。

ICU打線は海洋大エースの休波の前に沈黙し、散発三安打。投げてはICU先発の吉田が4回までは海洋打線に安打を許さなかったものの、5回以降に味方の失策などからテンポを狂わせ、気づいてみれば与四球7、8失点と大荒れ。投打の噛み合わなかったICUは1勝4敗で前半戦を終えた。

「恥ずかしいの一言。後半戦からはもっと気をひきしめないと。」試合後に語るキャプテン・石黒の表情は冴えなかった。「自分の代をこんな惨めな感じで終わらせたくない。だから、チームみんなにも協力してほしい。」悲痛な願いはキャプテンの本心そのものだった。

1勝4敗。この結果をどうICUのナインが捉えるかが後半戦の命運を分けるだろう。これまでの5試合を猛省し、ナインの後半戦での奮起が期待される。

2014年4月27日日曜日

ICU谷口、攻守で躍動!

4/27  ◇国際基督教大学グラウンド 対電気通信大学

I C U 010 300 0┃ 4
電 通  101 232 2┃11  (規定により7回コールド)


<試合総括>

逆転に次ぐ逆転のシーソーゲームの行方は、要所での踏ん張りが勝敗を決する分岐点となった。4回ウラに失策絡みで2点を失ったICUは、続く5回にも二度の与死球に長短打を浴びるなどしてもう3点を失い、流れを完全に手放してしまった。ICUは今季3敗目を喫してしまった。


チームが失速する中で、一人気を吐く男がいた。2年の谷口である。

「バッティングスタンスを変えたのがしっくりきた。腕の力が抜けて身体全体で(バットを)振り抜けた」と語る谷口は、打っては2本の適時長短打を放って好調さをアピールした。

守備でも3回に電通の1番・渡辺のサード前方への難しい飛球を好捕するなどその存在感を見せつけた。
「(守備の)自主練習の成果が出た。チームのために活躍できて嬉しいし、練習に付き合ってくれたチームメイトに感謝している。」

この日、手痛いコールド負けでの3敗目を喫したICU。残り6試合、一つでも多く白星を積むためには、打って守れる谷口の活躍が不可欠であろう。




2014年4月21日月曜日

ICU今季初白星!

4/20  ◇国際基督教大学グラウンド 対帝京科学大学

帝 科  002 101┃4
I C U 223 400┃11 (連盟規定により7回コールド)

<試合総括>

ICU対帝科大の一戦は、圧倒的な打線の繋がりをみせたICUが7回コールドで今季初勝利を飾った。投げては藤原が6回3失点の好投を見せ、打っては3番の野上が連日のマルチ安打を記録した。


理想の戦い方が戻ってきた。走者を出し、犠打や右打ちで進塁させ、得点する。特にこの試合では下位打線の繋がりがチームの追い風となった。7番でスタメン出場となった石黒のこの日の出塁率は.500、8番の投手・藤原は1.000、そして2番から9番へと打順を下げた正木も0.666と高出塁率を記録した。

打順のどこからでも好機を作れるようになれば、勝機も自ずと見えてくる。次の対戦カードは今季優勝候補の一つである電気通信大学。接戦が予想される強敵だが、この日のような「勝ちパターン」を作ることができれば撃破できない相手ではない。

リーグ優勝・昇格を目指すICUに、もう敗戦は許されない。残り7試合、したたかに勝利を狙っていきたい。

2014年4月20日日曜日

キャプテン石黒、意地の「代打、俺」

4/19  ◇国際基督教大学グラウンド 対東京工科大学

I C U 210 000 001┃3
工 科  204 000 000┃6

<試合総括>

春季リーグ2戦目。ICUは初回に先制点をあげるものの、そのウラに同点に追いつかれ、更には3回に怒涛の四連打でもう4点を失い、主導権を工科大に渡してしまった。ICUは最終回に追い上げを見せるも、今シーズン二度目の黒星を喫してしまった。


4点を追う9回、先頭の伏屋が左中間を破る二塁打で出塁したところで、ベンチの選手兼任監督・石黒が動いた。

投じた策は、「代打、俺」。なんとしても得点しなければならない場面、自分のバットに試合を託した。

ボールカウント3-1から振り抜いた5球目はレフトへの適時打となった。「超気持ち良かった」と自分のバッティングを振り返りながらも、試合後の石黒の表情は明るくなかった。

「チームに負け癖がついている。何とかして明日は勝たなければ。」

今季すでに2敗を喫したICU。どちらとも得点差が少ないクロースゲームなだけに、この連敗が悔やまれる。この日に引き続き連戦となる日曜日。何としてでも連敗を止め、勝利への足掛かりを作りたい。

2014年4月12日土曜日

春季リーグ開幕! 若き主砲の覚醒

4/12  ◇国際基督教大学グラウンド 対文京学院大学

文 京  110 100 220┃7
I C U 100 110 100┃4

<試合総括>

 2014年度春季リーグ初戦は、ICUの追撃を振り切った文京学院大に軍配が上がった。
打ってはICUの三番・野上と四番・松村のクリーンナップコンビがそれぞれマルチ安打を放ち、好調をアピールした。

 
<コラム>

昨年末からの鍛錬が花開いた瞬間だった。

初回、三塁に走者を置いての打席で、今季から四番を任された松村が鍛錬の成果を発揮した。鋭く弾き返した2球目は右中間へ。同点のタイムリーヒットとなった。「苦手だった外角球を打ててよかった。(右打ちは)昨年からずっと取り組んできた課題でしたから」と誇らしげに語りつつも、松村はその表情にどこか不満さを滲ませていた。

「自分は四番を任されるにあたって、誰よりも勝負強くありたいと思っています。一打席目と二打席目はしっかりと結果を残せましたが、第三、第四打席は好機で凡退してしまった。自分があの場面で打てていたら(勝てていたのではないか)という気持ちは、正直、あります。」

得点圏打率五割を今シーズンの目標に掲げる松村。彼のバッティングが試合の、そしてICUの命運を握っていると言っても過言ではないだろう。ICUの若き主砲の活躍に、更なる期待がかかる。

2014年3月28日金曜日

ICU春期合宿1日目

投手陣が自分達を追い込んでいる。

合宿一日目のメニューはランニング。10メートルダッシュを含むサーキットトレーニングにポール間ダッシュ。極めつけは練習球場から寄宿舎までの約10キロメートルの長距離走だ。

内外野の守備をこなし、春からはリリーバーとしても期待のかかる新二年の谷口は「辛かった。(最後の長距離走は特に)途中でくじけそうになったが、投手仲間3人で走ったから完走できた。」と初日の半日間を振り返る。

残す合宿は後二日。徹底的に己の身体をいじめ抜き、開幕前の総仕上げとしたい。

春季オープン戦 2戦目

3/25  ◇国際基督教大学グラウンド 対東京外国語大学
外 大  010 001 340┃9
I C U 100 003 100┃5

<試合総括>

ICUの春季オープン戦2戦目は2点のリードを守りきれず、東京外国語大学に悔しい一敗を喫した。

春シーズン開幕から先発が期待される藤原と投手として新たに入部した吉田はともに3回を投げ 1失点と上々の仕上がり。特にエースの藤原は被安打1、4奪三振と好調をアピールした。

打ってはリードオフマンの柚原と五番の谷口、六番の伏屋がマルチ安打を記録。得点力アップを課題とするICU打線も、下位打線が機能しはじめたことでシーズンに向けて打力の底上げができそうだ。

2014年3月15日土曜日

オープン戦開幕

3/15  ◇国際基督教大学グラウンド 対武蔵野クラブ

武蔵野  120 010 110┃6
I C U 000 100 003┃4

<試合総括>

 ICUのオープン戦初戦は、コンスタントに得点を重ねた武蔵野クラブに軍配があがった。ICUは9回ウラに怒涛の追い上げをみせるものの後一歩及ばず、2点差での惜敗となった。



 春シーズンにむけて、開幕スタメンに新たな男が名乗りをあげた。新2年の伏屋悠真(ふせやゆうま)外野手だ。5点差を追いかける9回一死、反撃の狼煙をあげたのは彼のバットだった。

 鋭い衝突音が球場に響き渡った。無我夢中で振りぬいた4球目は一二塁間を抜けライト前へ。自身初ヒットとなった。

「良い当たりで、気持ちがよかった」と本人も満足の出来栄え。このヒットを起点に、昨シーズン1年生ながらも不動の二遊間となった柚原・正木の1・2番コンビに打線が繋がり、3点を返すことに成功した。

「初ヒットはやっぱり嬉しいし、これからも(ヒットを)打っていきたい」と抱負を語る伏屋外野手だが、試合後も自主的にグラウンドで居残り練習をするなどスタメン奪取に余念がない様子。残るオープン戦は3試合だが、そこでも存分にアピールし、先輩外野手の定位置を脅かすような存在に成長したい。

2014年3月11日火曜日

球春到来。実践モードへ

3/11 ◇国際基督教大学グラウンド 



<総括>

3/15から始まるオープン戦に向け、実践演習が行われた。

エースの藤原は、2回1/3を被安打2、2奪三振と上々の仕上がりをみせた。「変化球が特にいい。相手打者のタイミングを完全に外せている」と捕手の松村を唸らせるほどだ。

その松村も打撃で持ち前の勝負強さを発揮した。二死三塁の場面で、カウント1-1からの三球目をセンター後方に弾き返した。「(ランナーが三塁にいると)やっぱり返したいじゃないですか。今日はいい感じにボールを捉えられました。」と満面の笑みだった。


春季リーグ戦まであと一か月をきった。日々の鍛錬に加え、これから始まる4回のオープン戦で実戦感覚を取り戻し、万全の状態で開幕を迎えたい。

2014年2月13日木曜日

開幕に向けて

2/12  ◇国際基督教大学グラウンド



ICUのエースが、その腕に磨きをかけている。

雪の残るICUのグラウンド。キャッチャーを立たせたまま、直球を軸に変化球を織り交ぜながら 40球を投げ込んだ。
「まだ8割くらいの仕上がり」という自己評価ながらも、自慢の速球はミットに収まる度に心地よい炸裂音を放っていた。

白球を投げ込む藤原投手
昨年末から挑戦しているという「新球種」も披露した。「完成にはもう少しかかりそう」と語る藤原だったが、高速で右打者の懐をえぐるこの変化球は、ICUの勝ち頭の新たな武器となりそうである。


藤原の球を受けた捕手の松村も、「8割のできでこれだけ投げられれば十分。今日は特に直球の伸びがよかったね」とエースのピッチングに太鼓判を押す。


春季リーグ開幕まであと一か月と少し。

「今シーズンはガチで勝ちにいく」と語るICUのエースの目には「優勝」の二文字しか見えていない。